社団福祉公人こうほうえん

法人本部事務局 0859-24-3111

加藤 一吉 さん

総合施設長(医学博士)
介護老人保健施設 いなば幸朋苑
1995年入職

施設での看取りから通所リハビリまで、地域全体でのケアシステムを目指しています。

もともとは、病院で外科医として働いておりました。ガンを扱っていたことから看取りの場面に立ち会うことも多く、終末期医療にも携わるようになりました。終末期医療は、ガン患者だけに限ったことではなく、いろいろな病気で亡くなる高齢者の方に関しても、必要となってくるものです。

この施設で本来目指しているのは在宅復帰ですが、それが難しい場合もあります。かと言って、受け入れてくれる病院も少ないのが現状です。ここでは、どのような最期を迎えたいのか、そのときが来る前に本人や家族の方と一緒に考えていくことをしています。

高齢者の方が亡くなる場合、心臓疾患、ガン末期、慢性疾患、認知症など、大きく分けて4つのタイプがあります。入所されて1ヵ月くらい経った頃を目途に、ご利用者や家族の方と一緒に「終末期の意向確認書」を作成していきます。施設で最期を迎えたいのか、自宅か、病院へ入院したいのかといったことから、施設内での看取りを希望された場合は、食事の維持、排せつ、疼痛緩和など、より具体的なケアの仕方を話し合い、方針を決めていきます。

始めた当初はどのように取り組むか、試行錯誤の連続でしたが、今は施設内での看取りが大半となり、自宅に戻っての看取りケアも少しずつ行われるようになってきました。

今後は地域包括ケアといって、施設サービスのみならず、地域、つまり在宅にも目を向けた役割が求められています。このことから、こうほうえんでは鳥取県東部では初の試みとして、特養での通所による短時間型リハビリテーションも始めました。

高齢となっても介護施設に入ることなく、住み慣れた自宅で生活できることを目指し、今後もこの取り組みを広げていきたいと思っています。